霧深い都会の片隅で、殺人現場を目撃してしまう。

とは言え、通報はしない。
好きこのんで厄介事に首を突っ込む必要はない。
こちら側の人間なら、被害届が出されるだろう。
それからでも遅くはあるまい。
「こんな所から連れ出して欲しい」
と大金を積んだねーちゃんが、店の奥に拉致されていった。
こんな所で大金をちらつかせれば、
そうなっても致し方がない。
所持金620円。
あの大金が入らなかったのが痛い。
「これで何か飲める物を」
バーテンのオッサンに話しかける。
「牛乳520円」
ぼったくりだな。と思いつつも、
「じゃぁ、それで」
と伝えると、手から120円だけ持って行った。
「金がなくなると困るだろ?」
500円でどうしろと言うのか。
そんな所で目覚まし。
う〜む。眠い。